2010年8月3日火曜日

欧米人と日本人のハムストリング

骨盤が後傾すると腰椎の前湾は減少します。




極端状態は「腰を丸めた姿勢」です。



でも、ここでは腰を丸めるまではいかない状態ことをいっています。



見た目にはお尻から腰にかけての起伏が少ない状態になります。



そして、骨盤が後傾するとお腹側が縮むので上半身がそれに合わせて丸まります。



そうなると立派な猫背のできあがりですね。。



猫背の人は横からみると頭と肩が前に出た非常に首・肩がこりやすい姿勢になってしまいます。



また、背中側に注目すると背中・腰・お尻にかけての凹凸が減少しメリハリのないラインになってきます。



このように、猫背は見た目がかなり悪いです。



そして、さらにこの姿勢は見た目が悪いばかりでなく、内蔵や背骨にも悪影響を与えます。



まず、お腹側縮むことにより腹腔(お腹の中の空間)が小さくなり内蔵が圧迫された状態になり機能低下の原因になります。



そして背骨の椎骨の間にある椎間板にも非常に大きなストレスをかけ、ヘルニアなどの原因にもなります。



骨盤を前傾させると見た目はそれほど悪くなりません。



が、後傾は見た目も悪いし体にも悪いという感じですね。



欧米人ほど腰を反らせろとはいいませんが適度に反った姿勢を取るようにしたいものです。



骨盤を横から見たときに前に傾いているのが前傾、後ろの傾いているのが後傾と呼びます。

具体的には下図を見てください。







実は骨盤の角度は民族によって傾向が異なります。



一般的に西欧諸国やアフリカ系などいわゆる狩猟民族は骨盤の前傾が大きいです。



マラソンで走っている黒人選手の姿を思い浮かべてみてください。

腰が反ってお尻がツンと上がったいますよね?



体重や上半身をうまく使った走りをするには骨格構造上骨盤が前傾しているほうがやりやすいのです。



つまり、狩猟系の民族は走って獲物を追いかけるというライフスタイルのために骨盤が前傾した骨格へと適応しているわけです。



一方、日本人は農耕民族です。



走り回る必要性もそれほどなく、わら踏みなどの動きではむしろ骨盤を後傾している方がやりやすいです。



そういうライフスタイルのために日本人は骨盤が後傾した骨格となっているわけです。



もちろん、個人差と生活環境の違いの影響も大きいですが、こういう傾向があることは頭の中に置いておいた方がよいです。



ちなみに生活環境の違いの例としては陸上競技をしている人などは骨盤の前傾が大きく、デスクワークばかりの人は骨盤の後傾している人が多いです。



いずれにせよ解剖学的に適正と考えられる骨格の位置から前傾しすぎでも後傾しすぎても身体には負担になります。



「骨盤がずれる原因は?」では体の前側・後ろ側という区分けで筋肉を分けました。



ここでは特に骨盤の前傾・後傾という観点で分けてみましょう。太字の筋肉は支配的な筋肉です。

●骨盤の前傾

大腿四頭筋

※正確には大腿直筋。

骨盤の寛骨から始まりヒザのお皿を通って脛骨(スネのの骨)に終わる。

太ももをあげるときや踏ん張るときによく使う大きな筋肉



腸腰筋

腰椎(腰の骨、背骨の下の方)・骨盤から始まり体の中を通って大腿骨(ももの骨)に付着。

姿勢の維持に非常に重要な筋肉。



腰方形筋

骨盤から始まり肋骨に終わる



小臀筋

骨盤から始まり大腿骨に終わる。



縫工筋

体の中で最も長い筋肉。

骨盤に始まり脛骨に終わる















●骨盤の後傾

腹直筋

恥骨結合から始まり胸骨に終わる。

普通によくいう腹筋。



ハムストリング

正確には

・大腿二頭筋

・半膜様筋

・半腱様筋

坐骨から始まり脛骨(スネの骨)の終わる。

座った姿勢が多いとこの筋肉が萎縮しやすい。



梨状筋

仙骨に始まり大腿骨に終わる。

この筋肉に接する形で坐骨神経が通る。坐骨神経痛と関連が深い。



※中臀筋

前傾・後傾両方に関わる



これらの筋肉が過度に緊張したり緩んだりすると骨盤が前傾・後傾してしまいます。

これが左右アンバランスで起こると骨盤の左右のズレになります。

こうなると左右の脚の長さが異なってくるわけです。



これらの筋肉のを適切ケアしてあげると骨盤の状態がよくなる場合が多いです。

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